財産に関する権利や義務を表す紙面のことを証券と呼びますが、証券には有価証券と証拠証券の二種類があります。
有価証券とは、証券そのものに価値がある紙面で、具体的には株主、債券、手形、小切手などがあります。
有価証券を譲渡することによってその財産的権利を移転することができるのです。
簡単に譲渡できるので、取引や遺産分けなどに便利です。
ちなみに証拠証券とは預金証書や借用書、受取証書などといった証明書でそれ自体には価値があるわけではありません。
有価証券は更に商品証券、資本証券、貨幣証券に分類できます。
商品証券は船荷証券、倉庫証券など商品に対する請求権を表すものです。
資本証券とは、株券、債券などで有価証券というとこちらを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
貨幣証券とは為替手形、約束手形など貨幣に対する請求を表すものです。
金融ビッグバンによる金融市場の規制緩和や撤廃に伴って、企業の資金調達の方法が銀行からの借り入れでなく、株式や社債の発行による方式に変わってきています。
この時にも有価証券の形でお金が流動しているのです。
他にも身近な所で有価証券は商品券や図書券などといった金券や乗車券、宝くじなどの当たり券などが含まれます。
要するに換金できる権利のある券もしくはお金ど同様の権利のある券が有価証券なのです。
国の経済は紙幣などの通貨だけでなく、この有価証券によっても支えられていると言えるでしょう。